2008年の竿上り

date

2008/12/30(tue) 大潮

point
新木場(新木場公園)
report

 正月の準備で大童の奥さんを尻目に、のこのこ釣りに行ってきた。向かったのは十日前に初めて行った新木場公園だ。今回も餌でカレイ、ルアーでメバルの「二兎追うものは一兎を得ず」狙いである。しかも、メバルの影にはセイゴでも釣れたらという下心がある。いや、本音を言えばほぼセイゴ狙いなのだが、小さな魚を釣って喜んでいると思われないように、メバルというオブラートを被せたというのが正しい。

 現地に着いたのは下げ止まり間近の正午だった。良い釣りができた前回が干潮からだったし、夜になると冷え込むという予報もあったからだ。午後いっぱい釣って、寒くなる前に帰ろうと思っていたのである。だが、結局釣り場を立ち去ったのは午後10時を回ってからだった。かれこれ10時間も釣りをしていたのだ。しかも、先に結論を行ってしまうがボウズだった。

 一度おいしい思いをしたから、依怙地になって粘りすぎたのは間違いない。だが、それだけではない。時折思わせぶりな兆しがあって、やめるにやめられなかったのだ。上潮の効きはじめた午後2時には、ルアーを追ってくる30cmぐらいのやつが反転するのを目にした。先日、ばらしたポイントである。これで躍起になっている間に、とっぷり陽が暮れた。早くも上げいっぱいなのだが、風もなく予報で脅された割りに寒くない。前回が暗くなってから釣れたことを考えるとこのまま帰る気になれず、珍しく休憩をとって潮が下げ始まるのを待ったりした。すると5時51分(晴海)の満潮から1時間ほど経ったところで、今度は公園北岸で餌釣りをしていた青年にセイゴがかかった。これも、前回セイゴを釣ったのと同じ場所だ。となれば、今日もまた釣れそうな気がするではないか。だが、だめだった。

 敗因は三つあると思っている。一つは釣り座だ。夕マヅメからのゴールデンタイムを前に一息入れていたのだが、その時までは小さな新木場公園には誰もおらず、一人悠々と北西角に陣取っていた。ところが休んでいる間に、気付けば西岸にも北岸にも照明の下には釣り人が入っていたのだ。北岸はさっき書いたセイゴを釣った青年である。実はオラが公園に着いたお昼時に、この青年が角の釣り場にいたのである。少し話をしたのだが、朝から来ているが何も釣れないと言っていた。その後、いつの間にか姿を消していたので、マヅメを狙って出直してきたのだろう。暮れのこの時期に一日公園で過ごすとは、気合の入った暇人である。西岸はカップルだ。夕暮れ近くにふらっと来たから、沈む夕陽でも眺めながら「きれいね」「いや、君のほうがきれいだよ」とか何とか、そんな言葉を交わして消えるのかと思ったら、実は竿を持っていた。それでも暗くなったら去っていくだろうと思ったら、ヘッドランプを点け電気ウキを投げ始めた。こっちも気合が入っている。結局、一番いい時間帯に入りたい場所に入れず、悶々としたのだった。

 二つ目はリグである。前回は、メバトロボールという飛ばしウキのFS(ファーストシンキング)タイプを使って釣ったのだが、これを開始早々キャスト切れで海のかなたに飛ばしてしまった。うかつにも予備も持っておらず、中通しオモリやらSS(スローシンキング)タイプやら、いろいろ試してみたのだがしっくり来ない。これが原因という確証はない。だが、釣れた実績のある仕掛けの重みが釣り師の繊細なハートに与える影響は大きい。

 三つ目の、そして最大の敗因は潮だ。この日は大潮だ。川のような流れを予想していた。ところがである。夕方の満潮から2時間近く経った頃、ちょうど8時ぐらいのことだが、この素敵な時間帯になって西岸のアベックが帰り支度を始めたのである。べつに別れ話がまとまったわけでもなさそうだが、それはオラがとやかく言う筋合いではない。とにかく釣り座が空くのをそわそわしながら待ったのだが、その間にふと頭を過ぎったものがある。そういえば電気ウキ、動いてなかったなぁ。ん?って、ことは?潮が効いてないってことじゃないか。しかも風もないベタ凪だ。ああ、これがメバル釣りだったら...はっ...ど、どっちにしろ潮が動かないと釣りにならないしね。

 とまぁ、前回で釣り納めにしとけばよかった気もするが、今日もまたチェイスも見られたし、他人の釣果とはいえセイゴの顔も拝めたし。この新木場といい、中川放水路といい、今年は、新しいポイントを開拓できた一年でしたとさ。

result

No-Fish

photo
なし 

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