番外編 『秋の秋山』

date

2003/10/25(sat) 大潮

point
山梨(秋山村営マス釣り場)
report

 cafeの大会も、ずいぶんとご無沙汰してしまった。とっくにトーナメント戦線から脱落してしまい、一部の心無いメンバーからは「yoich引退」の声もあがっているとか。まったくもって、けしからん。非礼ではないか。これはもう、釣り的テロだ。老人はいらんということか。絶対やめんぞ。ぶつぶつぶつぶつ。

 で、忘れられないように、久々に参加することにした。何せ今回は、管理釣り場でのBBQ付きお気楽大会だからだ。やっぱり、年寄りにはしんどい釣りはね。血圧上がっちゃうからね。

 場所は、山梨県は秋山村の村営マス釣り場である。中央道の相模湖ICか上野原ICから30分程度で行ける。ところどころにコスモスが咲く九十九折の山道を抜けると、釣り場の看板が見えてくる。ここを曲がればすぐなのだが、曲がった先が二股に分かれていて、どちらに行けばよいか迷ってしまう。でも大丈夫。ハズレを引いても、ぐるっと回って元の道に戻ってこられるから。確認済み。

 さて、釣り場に向かう途中で、部長にして事務局gakuの指示に従い、羽田に住むnittyを拾いに行かないといけない。nittyとの待ち合わせは7:30、大会開始は9:00。どうしてこんな時間設定にしたのか忘れてしまったが、ほぼ遅刻確定である。しかも中央道が渋滞。およそ10:00になって、ようやく現地に到着した。一昨年の管理釣り場の時も、我が家が大遅刻をした経緯があり、恐縮至極で車を留めると、まだ来ていない者共がかなりいる。けしからん。特にけしからんのがgakuである。事務局な上に、皆が待ち望んでいるビールサーバ用の氷を調達してきているのである。gakuが2時間遅れで着いたときには、もう非難ゴーゴーだった。

 そもそも、今回の配車は納得いかんのだ。幕張に住むgakuが、越谷のni-Qを迎えに行ったのだが、越谷にはkosukosuがいるのである。そっちに乗せてきてもらえば良いではないか。そして酒の飲めないgakuが葛西の我が家を拾ってくれれば、楽しくビールが飲めたのである。それをgakuの下心のために、ぐっと我慢してお茶かなんかをすすって過ごしたのである。まったく、若い者は何を考えているやら。「どうせ無駄な努力で終わるんだから」とか、そういうことを言うつもりもないが、もっと効率の良い配車でだね、「All for One, One for All」の精神をだね。ああ、飲みてー。

 お小言はここまでにして。皆がそろったところで、さっそく大会スタートである。山間の清流を区切った静かなマス釣り場は、清清しい空気につつまれ、色づく秋の木々に心も安らぐ。そのくつろいだ雰囲気の中に、ぴりりと緊張が走った。というのも、一昨年の大会で、当時のトーナメンタが管理釣り場と高をくくって気を抜いたために、あわやボウズ続出かと気をもむ一幕があったからである。だが、そんな経験をすれば、皆馬鹿ではない、開始から気合を入れて竿を振るに決まっている。な、kosukosu。と振り返ると、ああ、座ってる。結局この学習能力に欠けた男は、大会終了後も合わせてルアーで一本も獲れなかったりする。

 今回大会は初顔も多かった。big-masu & little-masuの親子は餌釣りで参戦である。little-masuは以前、クチボソを釣りに行ってボウズに終わったのが、唯一の釣りの経験だったらしい。それが今回は大会中2本、終日で2桁の爆釣を味わってしまった。あーあ、若くして人生踏み外しちゃったねぇ。普通はこんなに釣れないんだよ。と、ボウズ続きのおじさんは嫌なことささやくのである。それにしても、さすが6歳、覚えが早い。最初はお父さんに魚をかけてもらった竿を渡されていたのだが、すぐに自分で浮子を振り込み、しまいには餌のイクラも自分でつけるようになった。次の大会ではルアーで優勝しちゃったりして。笑えない。一方、big-masuはダッヂオーブンを使ったアウトドアにふさわしいフライドチキンで、皆の舌を楽しませた。聞くところによると、自宅でもダッヂオーブンを使っているらしい。って、どんな家だ、いったい。

 sakuの奥さんtomoc-Oも今回初参加である。釣り自体初めてらしいのだが、そこはsakuの妻である。夫の指導の元、早々と最初の釣果を手にしていた。おそらくsakuとしては、これで釣りへの理解が得られることを期待しただろう。しかし、世の中そうそう甘くないものである。やはり、新婚の妻を家において、北海道に鮭を釣りに行くのは止したほうがいいと思う。

 ni-Qは女性にして、前大会の覇者である。さすがにキャストも上手で、魚を追う目も鋭い。大会中はNo-Fishに終わったが、その後も粘って、魚がすれた厳しい状況の中でニジマスを手にしていた。彼女のあきらめない姿勢は、見習うべきものがある。特に、ルアーで釣れないからといって、餌に飛びついて自分を慰めていた男は、ni-Qに弟子入りしたらどうだろう。まず最初は、肉の仕入れからだな。そう、今回ni-Qの参加でもたらされた恩恵のひとつは、BBQの肉がとても美味しくなったことである。さすが肉屋の娘。彼女が参加するBBQ大会は必ず出席しようと、心に誓ったのだった。

 takeも今回は奥さん連れで参加である。奥さんのtomoc-Aはお腹に新たな息吹を宿しながら、豪快にニジマスを引き抜いていた。あたかも、カツオ漁船の漁師のようである。その勢いで子供も産んで欲しい。余計なお世話か。

 ところで、今大会は誰が優勝したのか。はい、私です。RapalaのCD-5とパステルピンクのスプーンで、大会中に計4尾のダントツ。ま、実力っちゅうか、まだまだ若いもんには負けんちゅうか。他の大会に出場してたら、皆に無力感を味合わせちゃったかもしれないってことで。え、この間の葛西オープン?ああ、あれね。なんだったんだろうね、あれ。自分の無力さを味わっちゃったんだな。ちなみにこの日、小さいながらもヤマメを釣った。大会の優勝よか、けっこう、こっちのほうがうれしかったりもしたのだった。

 大会終了後は、釣った魚や美味い肉でBBQ。そしてビアサーバ。たった一つの心残りは思う存分飲めなかったことである。一日でも早く、gakuが目を覚ますことを望むばかりである。爺からのおねがい。

result

〈大会中のニジマス〉
big-masu & little-masu:2尾
saku、tomoc−O、take、shu:1尾
yoich:4尾

〈大会後の主な釣果〉
little-masu:2桁
ni-Q:ルアーで1尾
tomoc-A:餌で一本釣り
kosukosu:屈辱の餌で数尾
yoich:ヤマメ

photo
大会小景

楽しむ人々(除く1名)

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