【番外編 『われは湖の子』】

date

2001/11/23(fri) 小潮

point
琵琶湖(大津)
report

 母親の還暦祝いに旅行でもということで、生まれて初めて琵琶湖に行くことになった。琵琶湖と言えばバスフィッシングのメッカ。バス釣り原理主義者なら、朝な夕なに拝み倒しているところである。だが僕はブラックバスは苦手なのだ。食べられないから。それでも琵琶湖に行ったら竿を出してみたくはなるな、やっぱり。

 名神の渋滞を乗り越え、宿泊先の大津プリンスホテルにたどり着く。ホテルの部屋から窓越しに、琵琶湖の絶景を望む。うむ、素晴らしい。ホテル脇には流れ込み。うーむ、素晴らしい。さっそく竿を持ってエレベータに飛び乗る。日の暮れた18:00から夕食までの1時間1本勝負である。

 ♪われは湖の子 さすらいの

 きれいに整備された湖岸に立つ。隣で8歳の甥っ子が「やるー、やるー」と騒いでいる。そう、今回は家族旅行なのだ。まず甥っ子用に竿を準備して、手渡してやる。投げさせると、それなりに前に飛ぶ。ただし背丈がないので、振り込んだときに竿先が地面を擦る。笑顔を引きつらせながら、自分の竿を出す。準備ができたころには、小学2年生はすでに飽きたらしく、野良猫を追いまわしていた。

 ♪旅にしあれば しみじみと

 皆がその辺を歩いてくるというので、これ幸いと一人で残って竿を振る。巻き寄せる針先に元気な藻がからむ。しかしさすがに11月、日没後はぐっと気温が下がる。おそらく魚の活性も低かろうと、縁をゆっくりと探りながら歩く。

 ♪のぼる狭霧や さざなみの

 しばらくして竿先に明確なあたりが。明らかにギルである。しかしフックのサイズが大きくて乗らない。まあ、琵琶湖にまで来てギルを釣ってる場合ではなかろうと、そのまま続ける。

 ギルを釣ればよかった。琵琶湖にまで来てボウズで帰ることもなかろう。

 ♪志賀の都よ いざさらば

result
No-Fish
photo
琵琶湖 また行ってみたいよ

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