【決心(仮)】
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2001/11/22(fri) 中潮 |
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ボート(シーバスジョイマリン) | ||||||||||||
report
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2002年GAKU'S CUPのファイナル、cafe第7戦ボート大会である。今年はこれまでドタキャンの連発でcafeの面々に迷惑をかけてきたが、最終戦にいたってようやく参加できることとなった。ところで、大会ルールでは最終戦はボーナスポイントがつくので、年間の成果もどんでん返しが可能となっている。となれば、足しげくシーバス釣りに出向いている者は有利な立場にいるはずで、そんなわけだから、悪いな皆の衆。最後においしいとこ持ってちゃって。 ちなみに昨年のボート大会は、gakuが86cm、eryuが75cmの大物を釣り上げた。また、うちの奥さんも含めて船中全員が釣果を得ることができて、盛会の内に幕を閉じた。ただ、個人的にはセイゴ1尾と寂しい結果に終わり、同じく貧果に涙したkosukosuと共に、1年越しの悔いを残すこととなった。 そして今年、屈辱を晴らすべく2人の男は、首都高を一路、ボートの出船する東神奈川に向かった。車を走らせる途中、kosukosuが「前のときは、分岐で道を間違えて、大黒ふ頭に行ってしまった」と、過去の失敗談を披露してくれた。 それから15分後、我々は大黒ふ頭にいた。しかたなくgakuに遅れる由の連絡をいれ、ふたたび東神奈川を目指した。ところが、降り口のすぐ手前で事故があって、なかなか前に進めない。波乱の一日の始まりとなった。 今回もボートは、ジョイマリンにお願いした。事前にもらった情報では、バイブレーションにブレードが付いたルアーが釣れているらしい。でもまあ、そんな奇をてらったようなものを仕込まなくても、釣れるだろ、ボートだったら。しかし、この甘さが後に大きな悲劇を生むとは、誰が予想しえよう。って予想できないのは、本人だけだったりするかもしれないが。 参加者は我々の他に、昨年のボート大会優勝のgaku、年間優勝のtake、今年の葛西オープンの覇者sakuと強豪ぞろいである。そして、昨年の管理釣り場大会以来、2度目の参加となるyutaro(♀)が加わった。彼女は、参加も2度目なら、釣りも2度目と、このメンバーに混じるには気の毒なくらいの初心者である。スケベオジサン的発想では、♀マークが付いてんだから参加ポイントの10,000点くらい、上げてもええんでないのとも思ったのだが、聞くとそれでは年間優勝者がいきなり決まってしまうので、この案は心の中で却下した。そして、これも後になって却下してよかったと、一人胸をなでおろす結果となる。 まだ曙光もささぬ暗い東京湾へ、船は期待と共にすべり出した。北の風10m、この秋一番の冷え込みとのことで、船に慣れない者にしてみれば、いささか厳しいコンディションとなった。でも釣れちゃえば気にならないことよと、高をくくっていた。しつこいようだが、これも後に大きな誤りだったことに気づくことになる。「海ってな甘くねえど」と、襤褸をまとい手に銛を持って浜に立つ、真っ黒に日に焼けた男がにらんでいた。ような気がした。 最初はタンカー周り、それからつばさ橋の橋脚周辺を、ミノーのキャスティングで探る。ここでは、kosukosuとtakeにバイトがあった程度で、魚の姿を見ることができなかった。gakuに至っては、糸ふけで早くもスピニングを1台、使い物にならなくしている。去年は海に竿を捧げて大物を釣ったので、今回もわざと不幸な目にあって釣らせてもらおうという作戦だな。しかしyutaroを連れてきた時点で他より幸せなのだから、その程度では駄目だな。海に飛び込むぐらいでないと。この予想だけはみごとに当たり、gakuは普通の釣果で終わることとなる。 次のポイントは羽田沖、水深14〜15mのポイントをジギングで探る。ここで本日最初の魚を、毎度のお先っ走りtakeが釣りあげた。ルアーは事前の情報どおり、バイブレーション+ブレードである。その後、gakuも同じ奇天烈ルアーで釣果を得た。kosukosuとsakuとはジグを使っていたが、それでも片目が開いた。サイズは時折フッコが混じる程度ではあったが、活性は悪くない。どうもフォーリングでのバイトが多いようである。しばらく群れを追いかけるように船を回している間に、着々と釣果は伸びていった。二人を除いて。 そのうちの一人は、羽田沖に着いた辺りから船酔いでダウンしていたyutaroである。それでも、ダブルヒット、トリプルヒットと活性が上がってきた頃、ふらっと起き出して竿をしゃくり始めた。そして、ものの数分で魚をかけたのである。「重いよ〜」と救いを求める黄色い声が、夜明けの海に響き渡る。おやおや女の子は大げさだねぇと微笑ましく見ていると、何やら竿のしなり方が尋常ではない。キャプテンも慌ててネットを持って駆け寄るが、浮いてきた魚を見て、さらに大きなタモを取りに走る。船中大騒ぎの中、gakuもサポートについて、何とかネットに収まったのは本日最大の68cm、みごとな江戸前鱸だった。その後、周りに強制され魚を持って記念撮影を済ませると、yutaroは再びキャビンにもぐり込み、沖あがりまで姿を見せることはなかった。大物一本の粋な釣りに、大先生の風格が漂っていた。 ところで、もう一人である。こちらは、一度は小さいながら何とか魚をかけたものの、目の前の高さまで上げたところで逃げられる始末。昨年、最後の最後まで取り残されて、半べそをかいていたkosukosu以上に追い込まれてしまった。その胸中たるや如何ばかりか。焦燥感でいっぱい?いや、実はムカムカでいっぱいいっぱいだったのである。ダイビングをやっていた頃は常備していた、最強の酔い止め薬アネロンが見つからず、素で乗ってしまったのが間違いの元だった。おまけに釣れないときては、このむかつきを晴らしてくれるものは何もない。結局、船べりにしがみついて、海にぶちまける羽目になった。その哀れなうしろ姿を「ダイビング以来だなぁと懐かしく見ていた」とtakeが言う。懐かしんでないで、背中さすれよ。 それでも、もどしてからは気分もよくなり、俄然はりきってみたのだが、時すでに遅かった。これといった盛り上がりもないまま、沖あがりのアナウンスが無情にも響く。ボートに乗ったのにNo-Fish!今年最大のチャンスもものにできず、ルアーシーバスは潔いほど縁がないところを見せつけた。 優勝は68cmのyutaro、♀ポイントなど上げる必要もなかった。昨年辛い思いをしたkosukosuは、竿頭で一番ウキウキ。帰りの車、同乗の竿尻に同情して、もう一つウキを増やそうと言うことになった。そう、毎度の左近川でウキ釣りある。 川のほとりで、しみじみ想う。ああ、ハゼっていい奴だなぁ。よし、cafe葛西店は餌釣り専門にリニューアルだ。もう餌を「番外編」扱いになんてしないぞ。決心した、取りあえずね。 |
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