黒い潮流

date

2003/12/06(sat) 中潮

point
ボート(シーバスジョイマリン)
report

 2003年を締めくくるMASARU'S CUP第6戦、みんな大好きボートシーバス大会である。だって簡単に釣れちゃうもんね。でも、ほんと言うと、私的にはボートは相性が悪かったりする。シーバスを始めた1995年、kosukosuと行った乗合舟では、かすりもしなかった。一昨年のcafe大会では、86cmを筆頭に船中が好釣果に沸く中、かろうじてセイゴ1尾。そして昨年は再びボウズの上に、船酔いでゲェである。

 そんな訳で、無策で参加するのは、あまりにも危険である。しからば去年の敗因を、精巧なコンピュータで分析してみた。カチャカチャカチャ、チーン。今時、こんなコンピュータはない。それでも答えは出た。

★敗因その1 「船酔い」
 やはり吐いたら負けである。しかし、いまさら三半規管を鍛えようにも、時間がない。てゆうか鍛え方、知らないし。ここはひとつ薬に頼って、この難題を乗り越えることとした。アネトン「ニスキャップ」。もう薬がないと、生きていけない。

★敗因その2 「ルアーチョイス」
 昨年は、事前に「バイブレーションにブレードの付いたルアーがグーッ」との情報が流れていた。しかし、そんな邪道なルアーに手を出す気になれず、男らしくジグ一本槍で試合に臨み、見事に玉砕した。そんな訳で、1年遅れでこの奇天烈ルアーに手を出すことにしたナリ。

 さあ、これで準備万端である。後は前回大会同様、羽田のnittyを拾って、船着場へGo!そういえば、去年はkosukosuが道を間違えて遅刻したなぁ。

 そして今年。未明の闇の中、見覚えの無い土手の上を、三菱リベロは行く当てもなくさまよっていた。曲がる目印を見過ごしたらしい。時計を見れば、既に約束の時間になっている。しかたなくnittyに電話をする。出ない。地図を頼りにたどり着いたマンションのインタホンの向こうから、nittyの寝ぼけた声が返ってきたのだった。

 それでも何とか、出船の時間に間に合い、大会にしてはいささか寂しい陣容で船に乗り込む。ボートは毎度のジョイマリン。朝一番、船長から「ここのところ渋い」との心強い状況説明を聞く。泣く。まあ気を取り直して、寒風を切り裂いて、羽田沖まで一気に船を進める。ポイントに到着すると、さっそくジグを落とし込んだ。やっぱり邪道ルアーはね。しかし、最初のポイントではこれといった手ごたえもなく移動することとなった。

 さて次は、なんと呼ぶのか、とにかく海中の構造物周りである。ここは他の船も集まっていて、さらによく見ると、小さいながらぽつぽつと魚があがっている。船長のアドバイスは、奇天烈バイブレーションのスロー引きである。しかし相変わらずジグを使う。だって他の船は、しゃくってるんだもん。ほとんど巻き上げずに、同じタナで上げたり落としたりする。「ヨーヨー釣り」というらしい。テクニックもへったくれもない釣り方なので、ボク的にはどーもね。おっ、かかった。あっ、釣れた。釣れました、15cmの小さなセイゴ。それでも一昨年のボート以来、2年ぶりのシーバスである。しかも船中一抜けである。いやぁみんな、ボクの真似すれば釣れるかもよ。

 と普段であれば、いい気になっている間に、誰かに大きいのを釣られて、「やっぱりね」ってなことになるのだが、今回は違った。どいつもこいつも釣りゃがらねぇ。shu&tigaなぞ、ルアーだって言ってるのにアジやらイワシやらをかけている。さすが築地に住もうって二人だけあって、今から売れ筋を水揚げか。gakuにいたっては、ため息をつくばかり。そして沖上りの時間が近づいてきた。このままでいけば15cmで優勝である。笑える。と思っていたら、gakuが涙ながらに訴えるのである。ギャルだけでなく、魚まで釣れなくなったら、あまりに哀しすぎると。

 この切ない望みに、皆が同情した。gakuが、あれほど腹黒いとも気づかずに。とにかく時間を延長してあちらこちらを回り、最後に円柱の立ち並ぶポイントに入った。ここで、gakuが見事逆転の40upをあげたのである。最後に足掻いただけのことはある。と感心していると、この男は豹変した。

 しばらくして、tigaの竿がしなった。gakuはタモを持って、サポートに行った。その間に、今度はこっちの竿に魚がかかった。それも、けっこうなサイズである。そこでtigaのタモ入れが終わるのを、じりじりと待っていたのである。ところがである。実はtigaの竿先にかかっていたのは、貝の塊だったのだ。しかしgakuはそちらを先に掬おうとするのである。さすがに船長をはじめ皆が「魚、魚」と言うと、しかたなさそうにこちらに来てくれた。しかし、それでも魚をタモに入れてくれない。そう、この魚があがってしまうと優勝が遠のくからである。2度3度とすかした後で、最後にやむなくタモ入れをしてくれた。

 釣れたのは52cm、実をいうと自己記録更新である。ちなみにルアーは、例のブレード付きバイブレーションである。いやあ、ルアーの進化ってすごいね。

 ところで、腹黒話はこれで終わらない。今度はnittyがグッドサイズをかけたのである。nittyは釣り初級、シーバスは今回が初めてである。それでも竿をしならせながら、魚を寄せてきた。またもやgakuがタモを持つ。そして、いよいよ魚が浮いてきたところで、船長が声をかけた。
 船長:  「ライン、張ったままで!」
 nitty: 「えっ?」(くるっ)
釣り初級の人に、きわどいところで難しいことを言ってはいけない。 何を言われたか判らずに、つい振り向いてしまったnittyの竿は、その瞬間テンションを失った。そして魚は海に帰っていった。

 以上が人の好いnittyが信じ、時として笑い話として語る内容である。しかし、真実はいささか異なる。もう一度、nittyがばらした瞬間を再現してみよう。
 [リプレイ]
 船長:  「ライン、張ったままで!」
 nitty: 「えっ?」(くるっ) (かつっ)
聞こえただろうか、かすかに響いた硬質の、あたかもルアーとタモ枠がぶつかったような音を。いや、みなまで言うまい。しかし、この魚もgakuのより大きかったことだけを付け加えておく。

 結局、このバラシを最後に納竿、沖上りとなった。いやぁ悪いな、前回に続いて、また優勝しちゃった。もしかして年間でも、いいとこ行っちゃったかな?え?年間で5位?今回は普段の優勝者より、ポイントが低くなってるだと!なぬ、今回のルールはgakuが決めたとな!

 ど、どこまでも腹黒い奴。

result
gaku 40up
tiga マアジ×1尾
shu マアジ×2尾、カタクチイワシ×1尾
nitty 1-break
yoich 15cm&52cm
photo
2003年締めくくり

締めくくってやったよ

<<<RETURN

inserted by FC2 system