【続・黒い潮流】

date

2006/04/22(sat) 長潮

point
ボート(スズヤ)
report

 2003年12月以来、2年4ヶ月ぶりにcafeの大会が開催された。

 2006年の初戦となる今回は、なんといきなりのボートシーバスである。これまでは年末の竿納め的な意味合いのあったボートから始めるとは、今年はこの1回で終わりかと懸念もされる。まあcafeも、メンバーの高齢化が進み、以前は足で稼いで得ていた釣果も、まあちょっとばかり金なぞを払って、ボートなぞに乗って、ちょいちょいと釣りなぞ楽しみますかといった、なんとも加齢臭芬々たる集団になってきたのだ。

 ところで、冒頭からなんだが、今回は、いや今回も、実釣の報告よりcafeに巣食う闇を照らし出す、ドキュメント風な色彩が強いことをお断りしておく。とゆうことは、これまでこの「釣行録」という名のエッセイ集をお読みいただいたことのある方にはお判りの通り、釣果のほうはたいしたことなかったのだ。あはは、最初から開き直ってやった。あー、せいせいした。

 さて今回の参加メンバーだが、今でも釣りに行き続けているkosukosuとgakuに対して、gucciやshuのように、僕に負けず劣らず釣竿握るのも久しぶりといったメンバーも多い。gucciに至っては釣具屋探しから始めるとのことで、船堀街道沿いに確か「フィッシャーマン」があったなぁと教えてあげると、インターネットで検索をしたらしく、こんなお礼のメールが来た。
(以下、メールの文面そのまま)

> 船堀街道と葛西橋通りの交差点、吉野家の2Fにフィリピンパブがあったらしい
> なんて2ch情報がヒットしました。
なぜgucciが”釣具屋”と”フィリピンパブ”のAND検索をかけたのか、今もって解明されない謎である。

 船宿はスズヤである。個人的には1995年にあい中島丸に乗って以来、なんと10年の歳月を経ての「乗り合い」である。だが、参加者が5人もいればボートを仕立てられたのではないか?ぎりぎりになるまでnittyだって参加を予定していたんだし。そんなに料金も変わらないし。チャーターだったら気楽にできたし。なぜ、スズヤに決まったのか?実は常連の奴がいたのである。こいつは他のメンバーが慣れない乗り合い船で余計なプレッシャーを受けている間に、自分だけいい思いをしようと画策した節がある。まあ、船宿に言わせると 「彼はいつ来てもテンパって固くなるんだよね」 とのことだから、意味のある作戦だったかどうかは疑問だが。

 だいたい、この男は行きの車の中からおかしかった。本人がこんど寮を出ないといけなくなってアパートを探していると言うので、親心からいっそ結婚してはと諭してあげたところ、「誰と結婚すればいいんですか!」と妙にテンション高く逆ギレするのである。そのときは、ああ悪いことを言ってしまったなと反省したが、今になって考えてみると後ろめたいことがあったから、親切心に動揺したに違いない。

 とにかく船宿選択に始まり、この常連男は暗躍した。スズヤは駐車場が狭く、常連男の車しか止められなかった。そこで一人別の車で来たgucciは、少し離れた場所に駐車したのだが、少し判りにくい船着場までは、誰かが案内してあげる必要があった。その役目を、この男はkosukosuにお願いしたのである。まあ一応ねといったレベルではあるものの、とりあえずkosukosuは今回の参加者では優勝候補筆頭である。それをあえて指名したのだ。気のいいというか愚か者のkosukosuはまんまとこの男の策略に乗り、タックルをこの男の車に置いたままgucciを迎えに行ってしまった。結局、ペンチやら何やらの入ったkosukosuのタックルボックスが船に運ばれることは、ついぞなかった。

 そして船に乗り込んだところで、さらにこの常連の策略が発覚した。まだタックルを置き去りにされたことに気づく前のkosukosuが、船宿のお兄ちゃんからこんな情報を聞き出したのである。
 「うちはミノー主体だからねー。」
なんですとぉー!参加メンバーの顔色が変わった。なぜなら、事前に常連から流された情報は、こんなんだったからである。

(以下、メールの文面そのまま)
> <タックル>
>   船宿に聴いたのですが、やはりバイブレーション主体。
>   鰯の群れをバイブレーションで打っていくパターンとのことです。
>   群れの深さでジグを投入する場合も有ります。
>   ミノーは一応(念のため)持ってきておいた方が良い、という程度。
>   かなり投げないかもしれません。
cafeの大会の趣旨はcafe公式ホームページにある通り、「各会員の技術向上と、人々とのふれあい、自然とのふれあい、そして異性との触れ合い(振れ合い?)を目的」としている。それを「異性との触れ合い」がないからといって、その腹いせにメンバーを落としいれようとするとは。そんな人物が部長だとは。ちなみに、この日は気圧や潮の関係から、結果的にバイブレーション主体のゲームが組み立てられ、常連の目論見はまたしてももろく崩れ去ったのだった。

 さて船は、旧江戸川から葛西脇を抜け、羽田を超え、一路川崎沖に向かった。片道40分ほどかけて着いたところは、海上にそびえるパイプやら鋼材やらが組み合わされた、まあとにかく人口構造物である。船長の指示は、ルアーは青っぽいバイブレーション、棚はカウント20〜30ぐらい、少し早巻き、時々トイッチとのことで、皆一斉にキャストを始めた。で、これが苦手なのである。自由気ままな陸っぱりで、ミノーのゆっくり只巻きに慣れている身にとって、あれこれアドバイスされ、巻きが遅いと「もっと早く!」なんて言われる釣りは、どうも楽しめないのである。って、これって釣れなかった言い訳じゃないから。ほんと、ちがうってば。

 言われた通りに釣りをすべきかどうか悩んでいる間に、一緒に乗り合わせた常連らしき他の客二人は着々と釣果を伸ばしていく。一方、こちらの面々は当たりもなく、策士策に溺れた件の男も空しくキャストを繰り返していた。そんな中、待ちに待った当たりが手元に来た。条件反射で竿をあおると、船長に「下向きに合わせて」と後ろから手を押さえられたのである。で、ばれた。何してくれるのって感じである。これで調子が狂ったんだなぁ、きっと。って、これって釣れなかった言い訳じゃないから。ほんとのほんと、ちがうってば。

 船内に暗いムードが漂う。kosukosuに至っては、策士の拙い策にはまった上に、開始早々のバックラッシュですっかりいじけている。そんな暗雲を吹き払ったのは、以前伊豆釣行でカレイを釣ったgucciだった。借り物の竿とリールで最初の釣果を上げるとは、やはり無欲の勝利か。その後gucciは一人奮闘し、2尾目を上げたのだった。

 それから、しかたがないので書くが、実は例の常連も1尾釣ってしまったのだ。さて、この常連とは誰だったのでしょう?答えは「result」で。

 shuも一瞬だが船内を沸かした。他の乗り合い常連とのダブルヒットだったのだが、船宿のお兄ちゃんは初ヒットのshuのほうのタモ入れに来てくれたのだった。そして、海面を割って現れたshuのルアーには、貝の塊が付いていたりしたのだった。まあshuにお似合いなのはニョロなのだから、ニョロニョロこの辺りでニョロっとニョロな奴を釣って、みんなをニョロこばせてほしいものだニョロ。

 その後、羽田沖を狙ったがここでは釣果なし。そして最後のポイントとして選ばれたのは、僕の釣れないホームグランドである荒川河口の湾岸道路下だった。ほんの目の前が通い慣れた釣り場である。ここで釣れてしまうと、ちょっと悲しいかも。でも釣れないのは、もっと悲しいかも。せめて岸側ではなく、いつもは打てない橋脚回りで釣れればと思っていると、こともあろうにガイドが岸に向かって投げたバイブレーションでナイスサイズをかけたりしたのである。常連客も常連客なら、ガイドもガイドである。でも、ここって魚いるんだな...

 そんな訳で、今回の優勝者はgucciとなった。おめでとう。でも、ひとつだけ忠告がある。心して聞いてほしい。もし今年の大会がこの後開かれなかった場合は、来年の大会はGucci's CUPになるわけである。しかし、もし君がいなくなってしまえば2位の男が繰り上げになるかもしれない。大会の開催を決めるのも部長だし、繰り上げルールも部長が職権を濫用してごり押しする虞がある。そこで忠告だが、暗い夜道を一人で歩いてはいけない。 駅のホームで最前列に並んではいけない。なぜなら君の後ろに、あの黒いレインスーツの男がいるかもしれないから...

result

gucci 2尾
gaku 1尾
kosukosu,shu,yoich No-Fish!

photo
シーバスボート大会その1 出発前
シーバスボート大会その2 釣果

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