Big minnow , Big bite

date

2006/11/04(sat) 大潮

point
ボート(Hikochan-boat)
report

 新左近川マリーナから出船するチャーターボートに乗ってみた。

 今回お世話になったのはHikochan-boat。週刊つりニュースの「オフショアインフォメーション」にも毎週情報を上げているボートである。そして、左近川はマックスのお散歩コース、我が家から徒歩でも10分でマリーナに行ける。何よりその近さ加減に、前々から惹かれていたのだ。

 このHikochan-boat、今の季節は大物狙いになるらしく「16cmのミノーを持ってきてください」と言う。16cm?思わずヘソの下に目を遣り、このぐらいの大きさかなぁと、不毛なウソをついてみたりする。いや、それにしても、そんなでかいルアーってどこに行けばあるんだろう。とりあえず近所の中古釣具屋を覗いてみると、お、それらしきルアーがあるじゃないか。K-TENのBLUE OCEAN、1ケ630円也。オレンジ金とサバ色のミノーと、ツキノワグマみたいなカラーリングのリップレスを購入する。

 同船するのは毎度のkosukosuとgaku。メンバーが3人そろったのだから、cafeの大会としては成立するのだが、どうした訳かプライベート釣行扱いになった。なぜなら、前回の葛西オープンで今年の大会を打ち切れば、大会の開催権を持つ事務局員兼部長であるgakuの年間優勝が確定するからである。gakuに言わせると、同じ事務局員のkosukosuと相談して決めたと言うのだが、そのkosukosuからして今回の決定には怪訝な顔をしているのだから怪しいものである。cafeの暗い闇が晴れる日は来るのだろうか。

 乗船は午後4時。船堀街道から近いマリーナの空き地に車をとめてタックルを準備するが、船長が来ない。電話をかけると1時間勘違いをしていたらしい。おとぼけ船長である。しばし到着を待つ。

 船長の到着とともに、すぐに出航する。見慣れた左近川や荒川の風景を船の上から楽しんでいると、あっという間にポイントに着いた。狙うは湾岸道路の橋脚周りである。普段の陸っぱりでは到底届かない川の中央で、まず普通サイズのルアーで橋脚の際を打つ。ビッグルアーで釣れる時間は限られているらしい。陽の光がしだいに翳ってゆき、入れ替わるように高速から漏れる灯りが水面を照らし始めた頃、まずgakuが口火を切った。30アップぐらいの小型を、クランクミノーで釣ったらしい。それを見て、レンジが合えば簡単に釣れそうじゃんと高をくくっていたのだが、どうゆうわけか魚信すらない。少しずつポイントをずらしながら探っている間に、gakuはバラシも含めて本数を伸ばし、kosukosuも最初の1尾を釣り上げた。こうなると、取り残され感は毎度ながら辛い。その後、赤金のスピンテールジグで一度は乗りかけたもののはずれてしまい、ますますプレッシャーが高まった。

 そうこうしている間に、満潮の潮止まりを過ぎて少しずつ潮が下げはじめた。ここで船長が、そろそろビッグミノーを使ってみると良いかもと言うので、gakuと僕はルアーをチェンジした。とはいえ、正直なところ半信半疑でルアーを投げていると、またしてもgakuのBOMBER LONG-Aにヒットした。さすがにギャルゲット率を下げてでも釣りにかけているだけのことはある。と妙に感心していると、竿のしなりからそこそこサイズと思われた魚が、姿も見せずにばれてしまった。だが、ばらしたからといって、逆にギャルヒット率がアップするわけでもないのが悲しいところである。

 それにしても、16cmのルアーにバイトしてくる魚がいるということだ。軽くテンションを上げながらK-TENを投げていると、もそっとした魚信がきた。きたきたと喜びながらリールを巻くと、竿はしなるもののけっこうあっさりと寄ってくる。そんなに大きくないのかな。でも、これでボウズ免れたからいいやと、いつものごとく謙虚な気持ちで寄せていると、魚が船べりに近づいたとたんに事態が一変した。ぐんぐんと潜りこむ。糸が出ていかないのに焦って、ドラグを緩めながら魚が落ち着くのを待つ。一旦魚体が水面を割る。でかいじゃん。と思っていると、また船の下に潜り込んだ。それを回すようにいなしていると、ネットを持った船長が右回りの方が拾いやすいなーなどと恐ろしいことを言う。もういっぱいいっぱいですからと、そこは勘弁してもらいながら、ようやく浮いてきた魚をタモ入れしてもらった。

 陽もすっかり落ちきった午後6時。上がってきたのは体高の高い76cmだった。キャリアハイである。持ち上げて写真を撮ってもらいたいのだが、これが重い。その上、興奮で足腰に力が入らない。なんとか抱え上げて、情けない1枚を撮ってもらった。

 さて、こうなると形勢はkosukosuに不利になった。ボウズではないものの、サイズが小さい。gakuは本数をかせいでいるし、ビッグルアーでのファイトも味わっている。ヒットする時間は5分ぐらいとの船長情報もあって、kosukosuもあわててビッグルアーに付け替えてキャストし始める。だが後の祭りだった。満潮の下げ潮はますます流れを強くし、あっという間にルアーを川下に押し流す。魚探には反応があるというものの、魚信が途絶えた。

 そもそもkosukosuは最初の1尾をあげた時に、写真を撮ってやるというのを、もっと大きいのを釣ってからにしてくれと、謂れもない自信をもって断ったのだ。おばかさんである。人が最初のヒットの時に、ファイトシーンを撮ってあげていたから良いようなものの、結局この日魚を持ったkosukosuの写真が撮られることはなかった。

 さて橋脚周りは流れが強すぎて、我々の技量では釣りにならなくなってきた。ここで船長から移動に当たって、二つの選択肢が与えられた。大きなつづらと小さなつづらである。大きなつづらは80アップもあるらしいが魚は少ない。小さなつづらは一昨日は良かった、昨日はだめだったという。70アップを釣った身としては小さなつづらで十分だったのだが、目に涙を浮かべ、鼻から汁を垂らしかけた男が、こっちをじっと見ているのである。しかたがないので、選んでいいよと言うと、なぜかこの男はgakuに選べと権利を譲渡するのである。超おばかさんである。だが結局この男の血走った目力に負けて、大きなつづらを開けることとなったのだった。

 大きなつづらは荒川から少し走った舞浜沖にあった。遠くにディズニーランドのホテル群や葛西臨海公園の水族館、観覧車なんかの明かりが見える中、何もない海の真ん中でルアーを投げることとなった。そこだけ水深が1.5mと浅瀬になっているらしい。しかし宝くじ並みというだけあって、ここでは何事もなく帰還となった。

 マリーナに戻る途中で、未練がましく再度橋脚を打つが魚信なし。今度こそ本当に沖上がりとなった。このとき、実は先ほどの76cmを船の生簀に活けてあった。これをもってマリーナで写真を撮り直したりしたのだが、この後がよくなかった。大潮の下げ潮でマリーナの水深がなくなり、岸から魚を放ったら泥に埋まってしまったのだ。これをタモですくい上げ、鰓に水を通して蘇生させたのだが、逃がした先がまた浅瀬で、そこに乗り上げてしまった。そこまではもうタモも届かず、後は潮が上げるまで生きていることを祈るのみ。釣った場所でリリースしてあげればよかった。せっかくのビッグワンも後味の悪い納竿となり、自分の鈍臭さを呪う破目になったのだった。

result

gaku 50cmを筆頭に5尾
kosukosu 30cmが1尾
yoich 76cmが1尾

photo
BIG MINNOW GAME その1 高まる期待
BIG MINNOW GAME その2 悔いの残る悦び

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