30云歳の童貞男

date

2007/11/17(sat) 小潮

point
ボート(KAZUボート)
report

 会社の後輩で、これまで10回ばかり陸っぱりのシーバスに行ったのだが一度も釣れなかったという、哀れな男がいた。30云歳にして、いまだシーバスチェリーである。名をmuracchoという。そんな男を救済するにはどうしたらよいか?金を使って、プロにお願いするしかないでしょう。というわけで、「初めての子も心配いらないわよ、ウフ」というKAZUボートにお世話になることにした。

 KAZUボートといえばkosukosuである。10月の末にも、船中37尾などと大騒ぎをしていた。それから1ヶ月近く経っているのが気がかりだが、まあ大丈夫だろう。kosukosu+yoichでのボートは、過去何度も苦汁を飲まされているが、ま、まあ大丈夫なんじゃない。釣行数日前から、ぐんと冷え込んできたけど、まあ...大丈夫かもしれないね...

 不安を囲いつつ、当日の朝は4時に本宅前に集合。kosukosuとのボート釣行では珍しく、天候晴れ、風穏やか。すんなりと現地に到着して、タックルを組む。ここで横着をきめこまずに、ちゃんとリーダーを結んでおけば良かったというのは、あとのお話。

 船長も到着したので、さっそく出船である。程なく着いた最初のポイントは、オレンジの常夜灯が煌々と輝く、大型船のドックの中である。指示のままにキャストをし始めたところだった。早くもmuracchoが「来た」と歓声を上げた。ネットもなしで釣り上げたのは、20cm前後のセイゴだった。あっという間にチェリー卒業である。よかった、よかった、連れてきた甲斐があった。と喜びもつかの間、自分の竿にはまるで乗らない。実は去年のボートで70upを釣った調子に乗って、バットの硬い竿を新調していたのだ。周りはmuracchoの釣ったサイズがうようよしていて、ことごとく竿がはじく。片やmuracchoは、次のセイゴを釣り上げている。muracchoの竿は、僕がゴミ捨て場から拾ってきた、おそらく新品のバスロッドである。前からあげる約束をしていたのだが、こんなに役立つとは予想外である。思わず「竿換えて」と言いそうになったところで、次のポイントに移動となった。

 辺りもずいぶんと明るくなったところで、こんどはシーバース周りでの穴打ちである。こうゆうところは、さすがにkosukosuが強い。さっそく物陰から引きずり出したのは、サイズアップの40台である。これなら、この硬い竿にも乗りそうである。kosukosuに続けと定番のRapalaのCD-9で、最初の1尾を釣り上げ、プレッシャーから開放される。muracchoも、初めの内こそキャストや魚とのやり取りに苦労していたが、船長の「魚がかかってからバタバタしない」という的確なアドバイスが効いたのか、シーバスと呼んで恥ずかしくないサイズを釣り上げた。

 そうこうしている間に、また自分の竿に魚信が来た。同じぐらいのサイズだろうと気軽に寄せてきたのだが、船べりに上がってきた魚の口が大きい。お、グッドサイズじゃん。ところが、一旦は浮き上がった魚が、船の下に突っ込んでいく。でも大丈夫、そのための硬い竿だから。と思っていたら、ラインが切れた。リーダーを結んでいない上に、ドラグも締まったままだった。痛恨の1尾のなってしまった。

 その後、何度かポイントを変えストラクチャー周りを探るのだが、行く先々で釣れる。「こりゃ楽しい。今日はこうゆう穴釣りばかりでいいじゃないの」と、半ば満足しつつあるところで、たどり着いたのは、ストラクチャーも何もない場所だった。しかも、透明度の高い水を透かして砂質の底が見えるほど浅い。こんなところで釣れるのかと思ったのだが、とにかく船長の指示通り、オープンウォーターめがけてキャストする。kosukosu曰く、「こうゆう場所はハイピッチのジャークがいい」とのことなので、握力の薄れてきたグリップに鞭打って、それっそれっと竿を煽る。と、おおお、ルアーの後を追いかけてきてるじゃん。水が澄んでいる分、その姿が見えるので、気分の盛り上がりも一入である。ここでは、大型のミノーに変えたり、バイブレーションを投げてみたりで、楽しみながら釣果を増やした。

 さてさて魚の顔もだいぶ拝んだことだし、ここらでホームページ用の写真でも撮るかと、おもむろにデジカメを取り出した。初代のIXY DIGITALである。今となっては無骨なまでの大きさなのだが、ウォータープルーフケースもあるので、釣りには重宝していた。ところが1枚目の撮影をしようとしたところで、なんとバッテリー切れである。そろそろデジカメも買い換えようかなぁ。で、写真はmuracchoの携帯に頼ることになった。

 「muraccho、脱チェリー」の写真も撮れたところで、まったり気分に浸かりながら入った最後のポイントは村田川である。先ほど同様のオープンウォーターでの釣りでなのだが、時折、鳥が群れたりしているのを見て、kosukosuがトップの釣りを始めた。さては飽きてきたな、と思っているところで、見事に魚を釣り上げたのだ。これを見て、沈静化していたアドレナリンが一気に放出された。せかせかとペンシルプラグに取り替えると、kosukosuがかけていた辺りにキャストする。その数等めで、ゴボッと!出たぁ、出ました。これを無事にランディング。他魚種も合わせて、生まれて初めてのトップでの釣果である。期せずしてトップチェリー卒業。うふ。

 かくしてスッキリ顔の二人と、もっと釣果が伸びることを期待していた浮かぬ顔のkosukosuは、それぞれの想いを胸に帰路についた。その車中、興奮冷めやらぬmuracchoに、奥さんから電話が入った。
 「釣り?行ったよ」
 「・・・・」
 「え?」
 「・・・・」
 「帰らんとわからん・・・」
 muracchoの奥さんは、クリスマスの準備でツリーを探していた。子供のように魚と戯れていた男たちのおつむに、ようやく「家族」に二文字が思い返されたのだった。

result

muraccho 60up/6本
kosukosu 偽70/10本
yoich 65cm/6本

photo
初モノづくしなぜかキャプションがエロい基調になってしまった...

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