浜名湖花咲く

date

2004/5/2(sun) 大潮

point
浜名湖(舞阪漁港)
report

 今年は皐月の青い空を見て、ようやく初釣りとなった。ここのところ、休みの日は、家でごろごろしていたり、出かけてもせいぜいパチスロだったりと、どうも釣りに行くのが億劫になっていた。まるで、ほのぼの漫画に出てくる、邪魔者扱いのぐうたら父さんである。ただ異なるのは、掃除機で追いまわすはずの妻も、一緒にホールに出かけていたりする。

 話は変わるが、我が家では、正月とゴールデンウィークは私の実家がある浜松へ、盆は妻方の一関へ、というのが年中行事として定着しつつある。正月と盆はともかく、5月の連休になぜ浜松へ行くかのかというと、祭りがあるからだ。その名も「浜松まつり」。なにをする祭りなのか、とんとわからないネーミングだが、100町を越える各町が一堂に会して大凧を上げたり、御殿屋台(山車だと思ってください)を繁華街で引き回したりするのである。初子(はつご。長子のことです)が生まれると、その子を囲んでラッパや太鼓を鳴らしながら練りまわったりもする。と、ますますイメージが掴みにくくなったところで話を戻すが、とにかく旅費をかけて遠出をするのだから、なるだけ元を取ってやれと、哀しき庶民根性に支えられて、浜名湖に釣りに出かけたのである。

 初夏の日差しがほのかに翳り始めたころ、浜名湖でも海に近い舞阪漁港に車を留めた。ここには毎年、年の初めに釣りに来るのだが、たいていポイントを一人占めできていた。さすがに季節の良いこの時期は、外向きの堤防の上に釣り人が付いている。それでも、根魚だったら港内の石積みもあり、そこそこポイントが空いている。そこを、ぽつぽつと拾いながら釣り回った。だが、一度だけベラらしき小さなあたりがあったが、狙いのカサゴの影は見えない。

 そうこうしている間に、陽も傾く。この連休、前半は天気も良く、脂肪により耐寒性能を高めている私は、日中半そでシャツで過ごしていた。しかし海風も強くなり、さすがにこの時間では寒くなってきた。釣果が無ければ、冷え込みも一入である。そこで車に戻って上着を羽織ると、今度は船周りからスロープまで探ることにした。

 スロープを横切るように、ナス錘を下げたアンダーショットを引く。石のこつこつとした感触が途切れ、砂地になった。と、ここでプルッと小さなあたりが来た。あまりにも軽く、あわせられない。今年初の釣果を逃さじと、魚も気を失わんばかりに、ぐりんぐりんと巻き寄せる。鈎先が水面を割る。そこには魚がばれずにかかっていた。薄暮の港に現れたそいつは、カサゴにしてはいささか細長い。浜名湖では釣ったことがないが、もしかしてアナハゼ?かと思ったら、小さなアイナメでした。以前、三陸の海でライントラブルを直していたら、いつの間にかかかっていた、あのアイナメである。サイズは小さいが、初釣りで初釣果である。これは、うれしい、縁起が良い。浜名湖に喜びの花が咲く。もしかして、今年は爆釣しちゃうかも。強気。あるいは、この幸せを大切にして、今年は竿納めにしちゃうとか。弱気。

 さて2004年のcafe葛西店、祭りの大凧のように、天高く揚がりますかどうか、お後をご覧じろ。

result

アイナメ 12cm

photo
アイらぶナメ 2004年の初釣果

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