2002/07/13(sat)　中潮

　台風6号が通り過ぎた。俺っちが若い頃は台風が来たとなりゃ、それってなもんで、竿ひっかついで海っぺりに出かけたもんだ。だってよぉ、海が荒れると釣れるんだもん。でも妻を娶り犬を飼う身になると、そうそう危険は冒せない。そんなわけで台風がすっかり消え去った初夏の夕暮れ、ちょっと弱気の出陣となった。

　本日の行き先は左近川の水門。夏日の続く中で、なんとなく水門ってところに惹かれたのだ。しかし着いてみると、そこは味噌汁の川。後から後から、ごみが流れて行く。この濁流の中に、あいつは、いる。わけないか。

　と、半ばあきらめ加減の竿が、何かを捕らえた。ミオ筋でグーンとずた袋のあたり(釣り新聞調)。根がかりではない。なぜなら寄ってくるから。1年ぶりのフィーシュッ！それも真っ青の。おんや？

　正真正銘のビニール袋でした。その後も何度も騙されて、もう誰も信じられなくなるほど騙されて、それでも竿を振り続けて、でも、でも．．．竿をたたんだ。

　天気予報では台風７号が近づいているらしい。そして、また海辺に騙される男がいるかもしれない。

No-Fish