【30minutes】

date

2002/08/24(sun) 大潮

point
葛西(荒川河口)
report

 外吹く風にも、燻したような秋の香りが、そこはかとなく漂いはじめた。となれば、シーバスのトップシーズン到来である。この短絡さ加減が僕の釣りの身上であり、かつ安定したNo-Fish状態をもたらしている。

 妻が最近買ったミシンでせっせと座布団カバー作りに励み、マックスがせっせとその邪魔をしているので、こちらも負けじとせっせとペダルを漕いだ。ここのところ水門周りであまり良い思いをしていないこともあり、今日は河口で竿を出すことにした。

 それにしても、荒川の対岸の街並に陽が沈み、空が朱から藍に染まっていくありさまは、毎度ながらに美しい。「美しい」、なんとこのホームページに似つかわしくない言葉だろうか。ともかく、この夕陽を見られるだけで、釣果のことなどすっかり忘れてしまいそうになる。

 と、あと少しで自分を騙しきれそうになっていたところへ、下流でやっていたオジサンが、竿をたたみながら近づいてきた。聞くと、「5時半頃ぱたぱたっと4つ上がったが、ここ30分くらいあたりもなくなったので帰る」と言う。 なぬっ。釣り場に着いたのは18時、それから30分。

 どうやら、時合を逃がしたらしい。

 かのオジサンは、僕の竿先にだらしなくぶら下がっていたボーマーロングAを見て、「これでも良さそうなんだけどなぁ」と言いながら、手に持っていたプラケースの中身を見せてくれた。そこには、11cmから13cmクラスの大型のミノーだけが入っていた。その中でも、パールのやつが効いたらしい。でも僕、そんなでかいの持ってません。パールも入ってません。ちょっと銭湯では、しにくい会話である。

 「まあ今日は潮回りもいいし、小魚もたくさん泳いでるから、釣ってみてよ」と言いながら、オジサンは去っていった。「みてよ」って、もう、言われなくたってみちゃうよぉ。4本とまではいかなくても、1尾くらいだったら何とかなりそうじゃん。

 だが、時合ってのはシビアであった。結局、オジサンのおこぼれに与ることができず、今日もNo-Fish。でも、何となく釣れそうな気がしてきた。あとは、これが果かない期待に終わらぬことを、天に祈るばかりである。

result
No-Fish
photo
なし

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