【葛西オープン2006】

date

2006/10/21(sat) 大潮

point
葛西(荒川河口)
report

 2003年の開催から3年の空白を乗り越え、葛西オープンも第4回を迎えた。過去3回は短時間の陸っぱりにもかかわらず、参加者の誰かしら釣果を上げた。それも第1回はgaku、第2回がsaku、第3回は再びgakuが釣り、このことから「*aku(悪)の法則」のジンクスを持つ大会である。今回、釣りの部の参加者は、me-me、megu、kosukosu、take、gaku、yoichの6人。この内、ジンクスにかなっているのはgaku一人。僕も事前の開催案内には「yoichaku」などと書いて悪あがきしてみたのだが、効果のほどは未知数である。

 葛西オープンは2部構成になっていて、釣りの部の後は宴の部である。宴会には釣りをしないcafeメンバーや家族も参加する。今回は8世帯、総勢19人の大宴会となった。毎度ながらこれだけ人が集まると、料理をどうするか悩みの種である。今年は我が家の同居人akoの実家が鎌倉の魚屋で、その店で包丁さばきの修行を積んだakoの旦那さんringtaroも参加とあって、魚尽くしでまとめることにした。

 さて、この「葛西オープン」という名称だが、これは発足当初のcafeが年間大会にトーナメント制を導入していた頃、トーナメンタでない人でも気軽に参加できる釣り大会として開催したことに端を発する。その後cafeも人数が増え、逆に毎回参加できるメンバーが減って年間トーナメントが成り立ちにくくなったため、公式大会自体がオープン戦に切り替わった。この時点で、葛西オープンは年間ポイントは付かないが酒肴が付く、お気楽大会に位置づけも変わった。そして今年。葛西オープンは公式戦に格上げになった。ただし、過去の実績が認められたからではない。事務局員が公式大会の開催アレンジをさぼっている中、たまたま人が集まりそうだというだけで格上げされたのである。

 しかも、この怠惰で腹黒い事務局員は悪びれることなく、勝手にルールを決め、且つ今会を持って今年の最終戦にしようと目論んだ。前大会(といっても第1戦しかやっていないのだが)終了時点で、事務局員は3位以下に大きく差をつけての暫定2位。暫定1位のgucciは今回不参加だから、本人の年間優勝の可能性大である。とりあえずルールに工夫を凝らした振りをして「今回初戦の方も50cmオーバーを出せば一発逆転可能です」などとしおらしさを見せてはいるが、結局のところ47cm以下では事務局員が優勝する仕掛けなのだ。これはもう巧妙な詐欺である。ちなみにこの腹黒野郎は、葛西オープンで過去2回優勝しており、また今回も唯一「*aku(悪)の法則」にかなっている男である。

 釣りの部開始は、当初の予定から少し遅れ気味の午後3時。荒川の河原でタックルを準備していると、優勝のためならどんな汚い手でも厭わない腹黒事務局員gakuが、さっそく妨害工作に出た。ガイドにラインを通す振りをして、ロッドの先で僕のことを突付こうとするのだ。確かに実績は乏しいにしても、ここ荒川河口をホームにしている優勝候補を大会前につぶして、少しでも自分が有利になるようにもって行こうという作戦である。

 それだけではない。タックルの準備が終わったところで、kosukosuから陸っぱりのシーバスロッドは久しぶりなので試し投げさせてくれと申し出があった。またtakeも釣り自体がご無沙汰なので、自分も練習したいと言う。me-me&megu夫妻に至っては、4年前の第2回で初めてルアーを投げて、それ以来ということなので、また一から覚えなおす形になった。ところが、である。gakuまでもが、試し投げしようとするのである。この彼女のいない独り者で、釣り以外することがないはずの男がである。これには、周りから一斉に非難の声が上がった。

 gakuの数々の悪行にもめげず、釣りの部が開始された。タイムリミットは午後4時半までの1時間30分。スタート地点に留まったme-me&megu夫妻を挟んで、kosukosu、take、gakuの3人は橋脚側、僕は河口角へと散っていった。河口角を目指したのは、ゴールデンウィークからこっち、自分だけでなく他の釣り人も釣果を上げているのを目にしてきたからである。大潮の上げ9分から潮どまりまでの釣行となったため、護岸をひたひたと川の水が洗っている。浅い水の層を長靴でかき分けると、群れていたイナッコがわらわらと逃げていく。河口角には先行者がいたので、その少し上手から徐々に川下に向かって下っていった。その間にもさすがにトップシーズンだけあって、釣り人が入れ代わり立ち代りやってくる。しかし誰も魚信をとっている様子がない。橋脚辺りよりも角周りのほうが釣れると思い込んでいたため、第4回にして初の釣果なしかと危惧していた時だった。携帯が鳴った。発信者はkosukosu。出る直前で切れてしまった。もしかして釣れたのかと、ほっとしたような寂しいような複雑な気持ちでかけなおすと...

 「あはは、なんでもないです。」

 kosukosuまでもが携帯を使った妨害工作か。いつからcafeは、こんなにさもしい組織になってしまったのか。と嘆いていたのだが、後で聞いたら、このときgakuがニゴイをかけていたのを、シーバスが釣れたと勘違いしたらしい。

 その後、臨海公園の際まで探るが魚信もない。誰かが釣れたという連絡もない。と、思っていた。実は携帯が鳴っていたのを聞き逃していたのだ。その頃、gakuが20cmぐらいのちびっ子を釣っていたのだ。午後4時の湾岸道路の橋脚下、金黒のクランクミノー。4回目の葛西オープンも釣果が出た。そして「*aku(悪)の法則」は今年も健在だったのだ。

 釣れたことを知ったのは、再び角まで戻り、今度は川上に向かっているときのことだった。ここでも、またgakuがせせこましい作戦に出た。釣れたことを、わざわざ歩いてきて伝えようとするのだ。遠くで手を振っているのだが、何を言っているのか聞こえないので気になってしかたがない。しかもゆっくり歩いて、なかなか近寄ってこない。焦らして集中力を殺ぎ、ついでに時間も稼ぐ作戦である。あまりの悪どさに、宴会の時にいぢめてやると心に誓ったのだった。

 陽も翳り、河原を吹き抜ける風に肌寒さを感じ始めた頃、終了時間の4時半を迎えた。その後は誰も魚信がなく、結局釣果を上げたのはgaku一人で、通算3回目の優勝を飾った。だが、実は惜しかった男がいたのだ。kosukosuである。gakuが20cmを釣った後、一番川上の橋脚の上流側を湾ベイトで狙ったところ、本人推定50upが乗ったのに鰓洗いでばれたのだそうだ。寄せているところで、今日のヒーローになった自分を想像してしまったらしい。邪念が手元を狂わせたか。気の毒に...ぷぷっ。

 さて無事釣りも終えて我が家に戻ると、そこには腰下サイズの嵐が吹き荒れていた。今回の参加者19人の内、yui&yuzuの双子姉妹、sanacchoの妹hiyori、そして唯一の男の子hirokiと、腕白2歳児が4人もいたのだ。すっかり大きくなったとはいえ、sanacchoもまだ5歳である。テレビにはアンパンマンが繰り返し流され、ソファはジャングルジムと化した。中でも一番の災難はマックスで、おもちゃは取られるは、追いかけ回されるは、挙句にまたがろうとする子もいて、逃げ場を探して右往左往していたのだった。

 だがはしゃぎっぷりなら、大人だって負けてはいない。me-me&megu家の「蔵王」、take&tomc-A家の「強力」、shu&tiga家の「玉の光」と持ち込みの日本酒が並び、kosukosu&norikoko家の焼豚が食卓に饗された。そこにakoの実家から送られてきたヒラメ、コチ、キスの刺身に、酢で〆たマメアジが並ぶ。酒池魚林である。norikokoはsanacchoが生まれて初めてお刺身を食べたと喜び、sakuは家庭内で味方をつけようとまだ2歳の息子に竿の振り方を覚えさせようとする。そしてkosukosuは女日照りのgakuに、別の竿の振り方を覚えさせようとしたりしていた。

 楽しい時間が過ぎるのは早い。空になった酒瓶が転がり、夜も更けた。1台、2台とベビーカーが去ってゆき、2006年の葛西オープンもお開きとなったのだった。

result

gaku チーバス20cm&ニゴイ
kosukosu 痛快な1バラシ
me-me,megu,take,yoich No-Fish

photo
撮りそびれた...

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