【葛西の橋の下で】

date

2006/10/28(sun) 小潮

point
葛西(荒川河口)
report

 しくじった。

 先週の葛西オープンの話である。河口角のほうが釣れると思い込んで粘ってしまったのだ。ウェーダーを履いた「ちょっとやるよ」風の人たちなんかも河口角に群がっていたので、余計にその思いを強くしてしまったこともある。だが、誰も魚信のあった様子はなかった。片や橋脚周りを攻めた面々は、人が河口角ですかしている間に、gakuが小さいながら1尾を上げ、kosukosuも自己申告50アップをばらしたりしていたのだ。

 ホームの驕りがあだになった。狙いは橋の下だったのだ。

 考えてみれば河口角で魚の姿を見たのは7月までで、9月のプラでは魚の気配もなかった。それに荒川に行くのは干潮時が多いのに対して、先週は大潮の上げ9分。条件が違えば、当然魚の付くところも違う...だろう。あんまり釣れてないから、よく判んないけど。

 でもこれって裏を返すと、しばらくの間は橋脚周りが良かったりして。こうゆう時はホームが有利だ。思い立ったが吉日とばかり、竿を担いで自転車にまたがったのだ。

 小雨の上がった日曜の朝の荒川は、ひんやりと秋の愁いを帯びている。しかし霧のように漂う雨のしずくを、蒸発させんばかりの熱気をまとわり付かせた釣り人が、そこかしこで竿を振っている。これは負けてられじと橋の下に急げば、幸いなことに、狙いの釣り座は空いていた。そそくさと準備を済ますと、最近釣具屋で見つけたスプーンのようなジグのようなルアーを投げる。なかなか飛距離も出て時折橋脚まで届いたりもするのだが、しばらく使い続けても反応がない。ここで、先週kosukosuは湾ベイトでヒットしたって言ってたっけと思い出し、赤金のジグスピナーに付け替える。これを高速湾岸線の橋桁に向かって投げていると、こつんと魚信があった。8時半頃のことで、満潮まで残り2時間。同じルアーを続投しながら、先週と同じような潮位だしこれはいいかもしれないと、期待を新たにした矢先だった。きたっ...ぽい。竿先をぐっぐっと引く重い手ごたえに、一気に頭に血が昇り我を忘れかけた。だが、重い。その重さに我に返る。このずっしり感は、もしかして、N・I・G・O・I、ニゴイ?確かめたいのだが、ずしずしと沈み込んで浮いてこない。ドラグが唸りはじめ、嫌な予感がしたとたんにラインが切れてしまった。

 集中力も一緒に途切れた。その後は惰性でミノーを放ったりしたのだが、何の手ごたえもないまま竿をたたんだ。かくして葛西をホームにする釣り人は、さっきの魚は何だったんだろう、で、結局のところ橋脚周りは良かったのだろうかと、疑念を深めるだけ深めてみたのだった。

result

No-Fish

photo
なし

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