【奥の極細道】

date

2001/08/15(wed) 若潮

point
三陸海岸(唐桑半島/只越漁港〜広田半島/広田漁港)
report

 日本の夏、ボンボンバカボンバカお盆なのだ。「新しい渋滞箇所をつくる会」の渋滞を心ならずも採択し、cafe葛西店店長yoichとして、奥さん(roko)の生れた岩手のお宅に参拝した。片道450kmの道のりを12時間もかけて。せっかく日をずらしたのにさ。小菅ICから東北道に向かうべきところを、どうしたわけか葛西に逆戻りしたのも、「逆行している!」と近隣同乗者から非難囂々であった。

 さて岩手となれば、ついつい気持ちは三陸リアス式海岸、北の根魚に向いてしまうでしょ。僕の持っているソイトウ(クロソイ)、サイナメ(アイナメ)、カジーちゃん(カジカ)の3つのマスターの称号はここで手に入れたから余計にである。なんせ他のcafeのメンバーはめったに行かない東北の魚となれば、この称号は当面安泰なのだ。これからのマスターのトレンドはご当地フィッシュで決まりだね。

 8/15早朝、山間の一軒家であるrokoの実家から2時間ほどかけて、唐桑半島入り口の只越漁港に向かった。気仙沼ちゃんの近くである。小さな漁港だが川の流れ込みがあり、クロソイの魚影が濃かった場所だ。最初の1尾もここで釣った。釣り人も少なく、駐車もしやすい。近くにトイレもある。今回の釣行はroko同伴ということもあり、実績のある快適なポイントを手堅く選んだ。はずだった。んだども、そっただこと言ったって、釣れっか釣れねえかはぁ、やってみねばわがんねぇさ。わがんね(yoich的東北弁)。

 現地に着いてタックルをセットしていると、漁師のおじさんが話しかけてきて、あれこれ情報をくれた。アイナメは5月くらいまで、イナダはこれから回ってくる、ソイなら潮が満ちている時のほうが良いよ。目の前は真夏の下げきった海。「大丈夫なの」と問いかけるrokoの視線。ざぶーん、ざばざばざば。引いていく波と心。

 気を取り直して、まずは流れ込み沿いの石積み堤防周りから。8時過ぎに一度ルアーを持っていかれたが、根にへばりつかれてラインブレイク。その後も時折プルプルとしたあたりはあるものの、どれもベラのようで乗ってこない。スロープ脇の捨石や沖側の突堤周りの岩場を探ってみたが、結果は同じ。rokoにもこれといったあたりがない様子だ。そのうち昼になってしまったので、ここはあきらめることにした。あれ?東北まで遠征したのに?またぁ?ごくり。

 生唾で喉を潤したら、思い切って移動。陸前高田をまたぐようにして、広田漁港へ。この漁港はけっこうメジャーな釣り場で、よく市販のポイントマップにも載っている。この辺りでは大きめの漁港だと思うが、特に左手奥の堤防付近はアワビの養殖場からの排水が流れ込んでいて条件が良い。ここも以前、アイナメを釣ったことのある実績ポイントだ。そのときは、もつれた糸をほぐしている間にかかっていた。他にクロソイやカジカも釣ったことがある。こっちはちゃんと釣った。

 ちなみに広田半島の根元にある海の家風の食堂の磯ラーメンは、450円と安くて味もまあまあである。お座敷もある。海産物土産も扱っている。rokoは昔、この店で10個500円のウニを買ったことがあるというので、うまかったかと聞くと覚えていないと言う。役に立たない情報である。なお店の名前はわからない。ますますもって役に立たない情報である。

 目的の堤防は、さすがに盆休み中だけあって家族連れでにぎわっていた。だが投げ釣りで堤防の外を狙っていたので、これ幸いと堤防沿いの沈んでいる捨石周りにルアーを落とす。しかし、ここでもつついてくるのはベラばかり。いっそのことこいつを釣ってやろうと、rokoのリグを山女鉤のアンダーショットに替えみたが、そうすると今度は寄ってこない。このササノハァ!もう呼び捨てである。そうこうしているうちに送り火の時間が迫ってきてしまって納竿。

 ああ、またもや。夫婦そろって。三陸まで来たのに。ルアー道、奥が深いというより、細い。細すぎる。

 これでいいのか?

result

No-Fish

photo
只越漁港 堤防 はじめてクロソイを釣った堤防、今はウミネコの巣
只越漁港 スロープ スロープの脇にもそそる捨石

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