【番外編「世界遺産(予定)でFishing」】

date

2007/10/06(sat)〜08(mon) 中潮

point
一関(本寺川)
report

 義父が古希を迎えたので、お祝いがてら妻の実家のある一関に行った。

 一関を訪れるのは、およそ2年ぶりのことである。すこしさびれかけた、鄙びた街である。今年になって大雨が降ったというのはあったが、それより他はこれといって変化もなかろうと思っていた。が、たいへんなことが起きていたのである。なんと妻の生家を含む一帯を、世界遺産にしようという活動がなされているのだ。「本寺村荘園遺跡」というのだが、中世の地図があって、今も同じ景観が残っているところが貴重なのだそうだ。

 中世から・・・進歩していないのか・・・

 だが本寺村などという名前、聞いたことのない人がほとんどであろう。知名度の低さは、すでに世界遺産に指定されている石見銀山に勝る(と思う)。無謀な挑戦だと思うのだが、一方で妻の在所が世界遺産の中にあるってゆうのも、それはそれで楽しい話なので、心の中で声援を送ってみているのである。

 ところで世界遺産になると、やはり観光客が増えるらしい。中には「せっかく東北まで来たのだから、ついでに釣りでも」なんて貧乏性の人がいないとも限らない。山間の静かな釣り場が荒れないか心配である。

 そんな酔狂な奴はいないだろと、疑う御仁もおられるかもしれない。だが、きっといる。なぜなら今回の帰省に、こっそり竿を持っていった好き者がいたからだ。

 以前にも書いたが、妻の生家の目の前に用水路というか小川というか、小さな流れがあって、そこにヤマメが棲んでいるのだ。こいつを釣ってやろうと思うのだが、幅一間ていどの流れなので、うかつに近づけは魚はあっという間に姿を消してしまう。何を隠そう、うかつはワタクシメの得意技なので、たいがい釣りを始める前に終わってしまう。運良く近づくことができても、ルアーへのチェイスはせいぜい1回だけで、すれるのも早い。

 その上、今回は義父のお祝いのついでなので、長い竿を持っていくのは気が引けた。結局、家にあったバス用のパックロッドを持っていった。バス用といっても、元々、湾奥運河のシーバスを電車釣行しようと思って買った物なので、とても硬い。リールも手元にあった6ポンド巻きっぱなしのを持って行ったから、繊細なヤマメ釣りには程遠いタックルセットである。

 なんてグダグダと書くと「ああ、また釣れなかったのね」と思うでしょ。それが釣れちゃったのである。小川の中に小さな堰があって、その落ち込みにスピナーを放り込んだところ、きらりとヤマメの魚影が閃いた。そしてクンっと魚信がきたのだ。じゃばじゃばとあふれ出るアドレナリンが、早く釣り上げろとせかすのだが、こんなときに限って岸からせり出した小枝にラインがかかったりする。引き潮よりも早くアドレナリンが消え去りそうになったが、これはあっさりと外れて、無事にお魚を手にしたのだった。

 これがなんと、今年初の釣果である。いやぁ、ええところだ本寺村。めでたし、めでたし。どんとはれ。

result

ヤマメ 17cm

photo
今年初釣果って、海じゃないのか・・・

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