BOMBER

　ルアーの色に対する偏見を取り払ってくれた逸品です。

　ルアーフィッシングを始めた頃、おそらく誰しも疑問を抱くと思われるのが、そのカラーリングです。とくに、シーバスならばレッドヘッド、バスならばファイヤータイガーと呼ばれる彩りは、納得しがたい点で双璧ではないでしょうか？

　新聞、雑誌では定番と書かれていても、どうにも抵抗感の拭えなかったレッドヘッドを使う気になったのは、その1週間前に同じくLONG-Aのチャートリュースで釣果を得たせいだったのかもしれません。LONG-A自体、「とても安っぽくて信用できなかったにもかかわらず釣れた」という事実がレッドヘッドを試させるきっかけになったような気がします。結果は、ばらしはしたもののバイトがあり、この怪しげなカラーリングに対する考え方が一変しました。その後、初釣果以来の50upをもたらしてくれたため、今では定番中の定番にまで格上げされています。

　ちなみに、よくルアー雑誌には「レッドヘッドは自然界にはないカラーリング」と書かれていますが、あれは誤りです。ダイバーの間では有名なイロブダイの幼魚が、まさにこれと同じ色をしています。

　さてLONG-Aのレッドヘッドですが、その特長は、白の部分が透明なプラスチックのボディと銀色の反射板の組合せになっている点でしょう。ナイトゲームでは巻き寄せてきたときに、その白い背中がよく見えるため、ピックアップからキャストまでのテンポもよくなり、いたって重宝しています。グラデーションのかかった赤い頭に描かれた目は黄色の丸にちょんで、固体によってたれ目になっていたり、より目になっていたりするところもご愛嬌でしょう。釣れるとこんなに見方が変わってしまうんですね。

　写真のルアーは1996年9月に50cmと30cmをキャッチしたときのものです。これまで一度の釣行で2尾以上の釣果を上げたことがなかったため、これによって殿堂入りを果たしました。爆発と呼ぶにはかわいい花火といったところでしょうか。