【伊豆の小躍り子】

date

2001/09/29(sat)〜30(sun) 大潮

point
伊豆(宇久須〜松崎〜下田)
report

 メッキの季節がやってきた!何を隠そう三度のシーバスよりメッキ好きである。あの追い、あの引き、あの姿である。きゅぅ〜っ。わけのわからない擬音まで出てしまう。

 多摩川の土手に住むnittyを拾い、肌寒い足柄SAでcafeの面々と合流する。今回は8名、うちの奥さんをのぞいて男ばかりのむさい集団は、一路、西伊豆は宇久須に向かった。宇久須は、まだcafeの仲間内でメッキの実績の少ない頃、noriが良型を釣り上げ、家族で釣りにきていた行きずりの少年の度肝を抜いた場所である。

 朝の8時、やんわりとした朝の日差しが照り始めた頃、一行は宇久須に到着した。そして皆が久々の伊豆の空気を堪能しているさなか、我先に竿を出したのは毎度のことながらtakeである。しかも始めて早々、「チェイスがある!」と騒いでいる。ディズニーシー開園日に子供を連れて子供よりも興奮してしまった、お父さん並みの落ち着きの無さである。

 しかし、そんなすっとこ父さんを差しおいて、最初の1尾を挙げたのは、釣師sakuだった。8:20、今年のメッキ第1号と思いきや、海の中からひょっこり顔を出したのはアオヤガラ(推定2歳)。うらやましいような、そうでもないような。それにしても、今となっては「ニョロはshu」の定説もすっかり色あせてしまった。shuにはあの栄光の日々を取り戻すべく、誰にもまねできないようなニョロを釣ってもらいたいものである。リュウグウノツカイとか。

 宇久須ではチェイスは見られたもののバイトせず、1時間ほどで本命の松崎に移動した。松崎こそcafeのメッキ初体験の地と呼んでよいのではないだろうか?これまでメッキを釣ったことのある、ほとんどのメンバーが、ここで筆下ろし、いや竿下ろし、いや何だ、その、とにかくお世話になった場所だ。温泉もあるしね。ちなみに僕は別の場所で済ませた。たしか青野川ちゃんとか言ったな。

 松崎に着くと、まずはcafe恒例の神頼み。漁港脇の稲荷神社で必釣を祈願したら、第6戦、五目釣り大会の開始である。皆がオートキャンプ場入り口とその対岸で竿を出す中、rokoと二人で那賀川と岩科川がぶつかるあたりまで移動した。ここは数年前、メッキ好調だったシーズンにロウニンアジを釣ったポイントである。あっ、ロウニンはここが初体験だった。松崎ちゃん、お世話になりました。

 大会での最初の釣果は、10:30、tanigucciの竿に訪れた。なんとカレイ、しっかりお口にかかっていた。ソフトルアーをイソメか何かと間違えたのか?何はともあれ、大会ルールでは「おいしい魚」は評価が高く、tanigucciはこの珍外道で5ポイントを獲得した。

 神様の気まぐれは、これだけでは終わらなかった。カレイから10分ほどして、今度は僕のルアーにあたりが。2年ぶりのメッキかと期待は大きく膨らんだが、乗らない。しかし、まだチャンスはある。そう思っている矢先に「釣れた!」という声がした。見ると、なんとnittyが、宇久須では真っ先に飽きてしまい「もう帰ろうよ」と頑是無い子供のように駄々をこねていたあのnittyが、メッキをぶら下げている!10:50、nittyもとうとう大人の仲間入りである。君もやっぱりここで覚えちゃったのね。ゴムつけたの?白のクラッピーね。しかしその姿を見て、どうした訳か「今日はだめかも」と思ってしまったのだった。

 案の定ダメだった。歳のせいか、それとも精神的なものか。gakuも釣れず、今回もメッキcherry boyの汚名を返上できなかった。今回の釣行でのgaku第一の受難である。

 お昼、松崎を後にして、前回の伊豆釣行で見つけたという食事処「びゃく」へ向かう。店は妻良から下田に向かう間にある。蕎麦と寿司の組合せの定食を出すのだが、これがけっこういける。はじめは定食が2,000円近くもするので「ずいぶんと高いな」と思ったのだが、金額に見合うだけのものはある。別に単品でイカの沖漬けなんてのもあり、これも美味い。西伊豆に行くたびに、あの伊浜ラーメンを食べていた頃からすると隔世の感がある。eryuもビールで顔をピンクにして喜んでいた。

 昼食から後は、伊豆食いだおれツアーに趣旨替えとなった。おい、釣りはどうなった、釣りは!そんな声に耳を傾けるものはなく、下田で絶品の干物を仕入れ、犬走堤防のつけ根で七輪であぶる。焼くのはeryu the pinkである。ふだんあまり役に立つことのなかったpinky eryuが、こと干物あぶりには抜群の腕前を発揮したのだ。誰にも取柄がある。そんなことを改めて思い起こさせてくれた一幕であった。それにしても、エボダイってのはおいしいもんだね。アジも、やっぱり、美味かったよ。

 しかし伊豆まで来てボウズというのは、いかにも寂しい。とゆうわけで、ここでも未練がましく竿を出したのだった。gakuも。干物を堪能している一角の足元が岩場になっていたので、ここの周りをミノーで探る。あわよくばヒラセイゴぐらい来ないかなの、スケベ釣りである。すると邪念のこもった竿先に、そいつは来た。抜き上げると、茶褐色=即ちヒラセイゴやメッキではない、かつ長い=即ちカサゴではない。となればこいつは?ああ、やはり下田と来ればこの魚、「ブルーの腹のニクい奴」アナハゼだ。でもボウズ脱出。わーい、小躍り。タイトルの意味はこれだけ。川端先生、すみません。

 gakuはここでも釣果に恵まれず、しょんぼりとうなだれたまま、暖簾をくぐった。中では立ちのぼる煙のむこうで、eryu親父が黙々と魚をあぶっていた。
 eryu 「だんな、嫌なことでもあったんですかい。」
 gaku 「ああ、ちょっとな。」
 eryu 「まあ、これでも食べて元気出してくださいよ。」
そう声をかけて、eryu親父は浅く火を通した一夜干しのイカを差し出した。人の情けに目頭を熱くしながら、イカを食べようとしたまさにそのとき、gakuのケイタイがなった。電話の先は今回来れなかったshuである。仕事の話。右手にイカをつまんだ箸を持ったまま、それから延々と、イカが冷めきるまで電話をかけ続けたgakuだった。第二の受難である。

 昼飯、干物ときたら次は宿の夕食だ。その前に下賀茂あたりの町営温泉で一汗流してから、今夜の宿「与平」のある伊浜に向かう。伊浜といえば「忠蔵」。いつのまにやら、これがcafeの定番となっていた。というよりも忠蔵のために伊豆の釣行が組まれていたと言っても過言ではなかろう。しかし、今回は忠蔵のおかあさんが腰を悪くされて休業中とのことだった。そこでgakuが選び出したのが与平である。忠蔵と同じ収容人員だという、わかるようなわからないような理由で。

 初めての民宿を、斜面にへばりついた伊浜の町で探すのは一苦労である。ましてや陽が落ちてからでは、都会と異なり街灯も少ない港町ではなおさらのことである。しかし、事務局の面子にかけてgakuは走った。ひとまず車をとめた港から、宿の場所と駐車の状況を確かめに走った。次に、皆を引き連れて宿に向かい、道を間違え、もう一度宿を探しに走った。えらいぞgaku、第三の受難だ。

 やっとのことでたどり着いた与平で待っていたのは、見事に大きなアワビのお刺身だった。しかも肝つき。アワビの肝?見た目はあまりよくないのだが、ウニのような味わいで、なかなか乙なのである。他にも食べきれないの海の幸が出されて、食い倒れツアー完結である。

 夜は三十路のおっさんたちが、3升の酒とリモコン式チョロQ「ビットチャージー」で盛り上がったのだった。3升?
 「1升、1升にしてくれや」  by 神酒道三
翌朝、cafeの本道、釣りに行ったのはsaku一人だけだったのだったのだった。

result
saku アオヤガラ 宇久須
tanigucci カレイ 松崎
nitty メッキ 松崎
yoich アナハゼ 下田
photo
伊豆その1 釣り
伊豆その2 干物
伊豆その3 宿

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